2026.1.29
【Q&A】022 院長が寝たきりになった!
Q
診療所の院長(個人開業医)が交通事故にあい、寝たきり状態になってしまいました。意識もはっきりせず、回復の見込みはたちません。家族としては診療所を閉鎖したいと思っていますが、どのような手続きで進めたらよいですか。

A
院長先生が意識不明や認知能力の低下により、ご自身で判断や契約ができなくなった場合、法的には「成年後見人(せいねんこうけんにん)」が閉院手続きを代行することになります。
個人事業主である院長先生が存命である以上、ご家族であっても預金を引き出したり、賃貸借契約の解約や従業員の解雇手続きを行う法的権限はありません。
【成年後見手続きの流れと成年後見人の権限】
1.成年後見制度の利用 家族親族などが家庭裁判所に成年後見人の選任の申し立てを行い、家庭裁判所が弁護士など適任者を成年後見人として選任します。選任された後見人は院長先生のために後見事務を行うことになります。
2.成年後見人の権限は、預貯金の管理、診療所の賃貸借契約の解除、医療機器のリース契約の解除、従業員への給与支払い、未収診療報酬の請求などの「財産管理」に関する事務と、院長先生の入院手続や介護サービスの契約、施設入所の手続きなどの「身上保護」に関する事務です。成年後見人の権限のうち、居住不動産を処分したり、後見人と院長先生の利益が衝突する場合は家庭裁判所の許可が必要とされます。
3.手術、輸血、延命治療の停止などの医的事項、結婚、離婚、養子縁組、遺言作成、葬儀や埋葬などの死後の事務については、一審専属的な権利に関わるもので代理になじまず、成年後見人であってもできないこととされています。
【法律家による支援が必要な理由】
寝たきりの状態での閉院は、相続発生時とは異なる「存命中の財産管理」という難しさがあります。家庭裁判所への申立書類の作成、債権者(リース会社や地主)との交渉、従業員への説明など、専門知識なしでは進められない実務が山積しています。
院長先生が倒れられ、今後の運営や整理に不安を感じていらっしゃる場合は、まずは現状を整理するために弁護士法人海星事務所へご相談ください。
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